大判例

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福岡地方裁判所飯塚支部 昭和44年(ワ)17号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕被告は亡通雄がこれまで医師としての必要経費を全収入の七二パーセントとしてきたものであるから実際の必要経費がこれより少ない旨主張するのは公序良俗に反し許されず、従つて昭和四二年度の所得は飯塚税務署に対する申告のとおり金三〇九、〇〇〇円であると主張する。なるほど所得額については税務署に対する申告額が有力な資料であることは疑いないが、これのみに頼ることは実情に合致しない場合があるのみならず、本件の場合、亡通雄の総収入の大部分を占める保険診療の報酬分についてはその七二パーセントが必要経費として控除されていることが窺われるところ、租税特別措置法第二六条はその割合を法定しているもので(右規定はそれ自体税法上問題のあるものであるけれども)あるから、課税以外の場合においては、実際の必要経費についてその数額の主張立証は許されるべきものと考える。ただ同じ国家機関に対しそれぞれ異つた主張をすることは場合によつて信義則に反することが考えられようが、本件の場合右租税特別措置法の規定に照らし直ちに信義則違反とは認め難く、又公序良俗に反するものともいえない。従つて被告のこの点に関する主張は理由がない。(工藤雅史)

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